上京して3年目になる。
不案内な土地を知るには足で稼ぐのが一番と思い、休日には降りたことのない駅で降りる事が多かった。そこでよく目的地に設定したのが古本屋だ。
東京にはたくさんの古本屋がある。有名な神保町の古本屋街をはじめ、中央線沿線など一駅に複数の古本屋が密集する土地も珍しくない。
そこで今回は、この2年間で実際に訪ねてみて、これから上京する人に向けておすすめしたい古本屋をまとめてみることにした。参考になれば幸いである。
前提条件:書き手がよく買う本のジャンル……SF、海外文学、あとちょっと現代詩、精神医学系の本
古書ワタナベ(中野)
中野ブロードウェイ内にある宝の洞窟的古本屋。なぜかというと、開店している時間帯が読めないから。基本的にやってない。ただし、運良く開店しているところに出くわせると、破格の値段で海外SFや海外文学の本が手に入る。店主はいつも狭い店内の奥でマイペースに読書をしており、買いたい本を持っていくといつも「え?」みたいな反応をする。本当に本を売っているのか? と不安になるが、ちゃんと買える。
古書ワタナベには一応「必勝法」もあるのだが、これはお楽しみということでナイショにしておく。ぜひ一度「チャレンジ」してみることをおすすめする。
品揃え ☆☆☆☆☆
値付け ☆☆☆☆☆
古書ワルツ(荻窪)
荻窪の古書店と言ったらやはりこの古書ワルツ。海外文学や哲学書など豊富な品ぞろえを誇り、店頭の均一棚にも掘り出し物多数。
ちなみに、あんまり大きな声では言いにくいのだが、店員にすごいギャルのお姉さんがいる。店の雰囲気からするとすごい浮いているのだが、めちゃくちゃ仕事がデキる感じなので謎である。
品揃え ☆☆☆
値付け ☆☆☆☆
りんてん舎(三鷹)
詩と海外文学が専門の古書店。値付けよし、品揃えよしの優良古書店。ちょっとだけ三鷹駅から歩くが、行く価値は十二分にあり。
ちなみに、塚本邦雄『水葬物語』旧三島由紀夫蔵書(150万円!)を所蔵していたりもする。
なお、わたしは数回ここの書店に本を買い取ってもらったことがあるが、その際の対応&値付けも大変親切だった。おすすめ。
品揃え ☆☆☆☆
値付け ☆☆☆☆
水中書店(三鷹)
三鷹の2大古書店の1つ。ここも詩歌や海外文学に強い古本屋。その他映画関係の本や社会学系の本も充実。謎に精神医学系の本が入荷していることが多く、助かっている。原書も結構ある。漫画も扱っているが、それの趣味もかなりよい。
三鷹に行くときは、上のりんてん舎と水中書店に寄り、駅舎内の豆狸でわさびいなりを買うのがお決まりのルートである。
品揃え ☆☆☆☆
値付け ☆☆☆☆
バサラブックス(吉祥寺)
サブカル系の漫画や小説が多いイメージだが、海外文学も充実している。
均一棚がバスがきわきわまで通る道と接しているので、物色しているとあやうく轢かれそうでこわい(バサラブックスあるある)。
品揃え ☆☆☆
値付け ☆☆☆☆
クラリスブックス(下北沢)
下北沢の古本屋。通販もやっている。安い本はめちゃくちゃ安い。高い本はそれなりに。
品揃え ☆☆☆
値付け ☆☆☆
@ワンダー(神保町)
SF専門古書店。さすが専門という品揃えだが、値付けはちょっと高め……というか相場通り。買うのはどうしても手に入らない本か、古本まつりで半額セールになっているときだけかも。とはいえSFファンは一度は訪れるべき店。
品揃え ☆☆☆☆☆
値付け ☆☆
羊頭書房(神保町)
こちらも神保町のSF専門古書店。こちらは@ワンダーよりも店は狭いが、その分密度が濃いイメージ。値付けも良心的。
品揃え ☆☆☆☆
値付け ☆☆☆☆
古書ドリス(鶯谷)
幻想文学系に強い専門古書店。品揃えは都内最強級だが、値付けはきびしい。とはいえここでしか手に入らない本があるのも確か。行くときは目当ての本を決め、その相場をリサーチした上で行くと吉。
品揃え ☆☆☆☆☆
値付け ☆
古書ソオダ水(早稲田)
早稲田古書店街からも一店紹介。海外文学や日本文学がそこそこある。小笠原鳥類の同人誌が売っていたのが印象的。
品揃え ☆☆
値付け ☆☆☆
盛林堂書店(西荻窪)
ミステリに強く、自社で同人誌レーベルも持っている書店。実はSFや海外文学にも強い。店頭の均一棚も激アツ。
品揃え ☆☆☆☆
値付け ☆☆☆☆
大体この辺りを巡っておけば間違いはないかと。それでは楽しい古本ライフを〜!