機械仕掛けの鯨が

読んだ本の紹介など。書いてる人:鯨井久志

翻訳

テッド・チャン「AIは新たなマッキンゼーとなるか?」(エッセイ)レジュメ

某所で翻訳の話が進んでいたものの、版権料の折り合いがつかず流れてしまった企画のレジュメ。テッド・チャンがニューヨーカー誌に載せたAIと資本主義に関するエッセイ。興味のある関係各位はご連絡を。 www.newyorker.com AIは新たなマッキンゼーとなるか…

ヴァージニア・ウルフ「フィクションにおける超自然」(エッセイ)

ヴァージニア・ウルフによる怪談、というかフィクションにおける超自然的存在の描き方に関するエッセイ。 エッセイ・評論集"Granite and Rainbow"に収録されているが、テキストには"Collected Essays Volume Ⅰ"(A CHATTO & WINDUS PAPERBACK)を使用した。 …

J・G・バラード「十八歳の時に知っておきたかったこと」(エッセイ)

J・G・バラードの未訳エッセイを翻訳した。 テキストは雑誌《Re/Search》のJ. G. Ballard特集号を使用したが、初出はthe Sunday Express Magazine no.38, Dec.27,1981 のようだ。 十八歳の時に知っておきたかったこと とても答えにくい質問だ。多くの点で、…

韓松エッセイ「中国SFを海外に発信すること――新しい対話」

韓松のエッセイを翻訳した。底本は昨日のインタビューと同じA Primer to Han Song。韓松流の中国SFが世界で受容されている理由の考察と、今後の行く末について。 Exploring Dark Short Fiction #5: A Primer to Han Song (English Edition) 作者:Guignard, E…

韓松インタビュー(聞き手:エリック・J・ガードナー)

中国SF四天王の一人、韓松(Han Song)のインタビューを勝手に翻訳した。 底本は韓松初の英訳短編集 A Primer to Han Song、聞き手は Eric J. Guignard。短篇集についてのレビューは以前書いたのでそちらを参照。面白いのでぜひ買って読んでください。 han…

ジョン・スラデック『チク・タク』第1章

「才能の使いみちを間違えた天才」ことジョン・スラデックの長編"Tik-Tok"が未訳のままなことに憤り、第1章だけ勝手に訳す……という暴挙に出たのは、いまから1年半ほどまえ。 このあいだ、その記事をたまたま何の気なしに読み返してみたのだが……あまりに訳が…

スラデック&ディッシュ共作解説

解説 人と作品 ジョン・スラデック&トマス・M・ディッシュ John Sladek with Thomas M.Disch 誌面が若干余ってしまったので、追加で解説を付すことにする。ジョン・スラデック(一九三七〜二〇〇〇)、トマス・M・ディッシュ(一九四〇〜二〇〇八)はとも…

『ゴーレム100』の超絶翻訳を原文と比較して検証してみた

ゴーレム 100 (未来の文学) 作者:アルフレッド ベスター 国書刊行会 Amazon アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』(100は本来べき乗表記)(渡辺佐智江訳、国書刊行会)は妙な本である。 ワイドスクリーン・バロックの大家・ベスターの持ち味である大風呂…