機械仕掛けの鯨が

読んだ本の紹介など。書いてる人:鯨井久志

ノンフィクション

リシャルト・カプシチンスキ『黒檀』

黒檀 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) 作者:リシャルト・カプシチンスキ 河出書房新社 Amazon ルポルタージュは文学か、と聞かれたらおそらくそうなのだろうと思うのだが、これまでの世界文学全集でそれに類したものが収録されていたという話は、不…

詩人の死に迫る、フィクションよりもフィクションなノンフィクション――小笠原豊樹『マヤコフスキー事件』

時に、優れたノンフィクションはフィクションに限りなく接近する。本書もそんな一冊だ。 舞台は1930年のロシア。そこである詩人が不審な死を遂げた。 現地警察は拳銃自殺と断定したものの、不可解な点の残る現場状況や彼を取り巻いていた環境、そして当時の…