機械仕掛けの鯨が

読んだ本の紹介など。書いてる人:鯨井久志

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

鉄とコンクリートの匂い立つ、現代の神話――J・G・バラード『クラッシュ』

クラッシュ (創元SF文庫) 作者:J.G. バラード 東京創元社 Amazon J・G・バラードとは一体何者だったのか? 従来のSFへ反旗を翻し、「内宇宙」をキーワードにSF界にニューウェーブ運動を起こした張本人。いわゆる《破滅三部作》で外世界のカタストロフ…

J・G・バラード「十八歳の時に知っておきたかったこと」(エッセイ)

J・G・バラードの未訳エッセイを翻訳した。 テキストは雑誌《Re/Search》のJ. G. Ballard特集号を使用したが、初出はthe Sunday Express Magazine no.38, Dec.27,1981 のようだ。 十八歳の時に知っておきたかったこと とても答えにくい質問だ。多くの点で、…

THE PENGUIN BOOK OF LESBIAN SHORT STORIES の邦訳のある短篇書誌情報

百合小説の「居場所」をつくる | Peatix バゴプラ主宰の百合小説に関するトークイベント(河出書房新社の石川詩悠さんと、作家・翻訳家の紅坂紫さんの対談)をぼんやり聞いていて、少し前に古本屋で見かけた洋書のことを思い出していた。 The Penguin Book o…