機械仕掛けの鯨が

読んだ本の紹介など。書いてる人:鯨井久志

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

失われた短編を求めて――ボルヘス唯一の未訳短編「シェイクスピアの記憶」について

ホルヘ・ルイス・ボルヘス。アルゼンチンが生んだ二〇世紀の世界文学上最大の作家の一人で、「知の工匠」「迷宮の作家」等の異名を持つ巨匠である。日本でも大変人気があり、現在では岩波文庫に著作の多くが収録されている。 さて、彼の作風の最大の特徴は、…

恋愛、そして破滅――柴田元幸編『燃える天使』

燃える天使 (角川文庫) 作者:柴田 元幸 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2009/10/24 メディア: 文庫 ◆ジョン・マッギャハン「僕の恋、僕の傘」 訳し下ろし→『男の事情 女の事情(国書刊行会) ◆V・S・プリチェット「床屋の…