機械仕掛けの鯨が

読んだ本の紹介など。

年刊Komiflo傑作選(2020年)を編む

※注意 以下の記事では成人向け漫画についての記述があります。苦手な方はブラウザバックを推奨します。

 

 

 サブスクって便利ですよね。NetflixとかAmazonプライムとか。最近はUberEatsも月額制のプランを始めたらしいですよ。

 ただ、サブスクの欠点といえば、月額料金を払いつつも、その額に見合ったサービスを受けないまま、だらだらとお金を払い続けてしまう……というリスク。映像配信サービスも、忙しい月だとほとんど見ないまま終わってしまったりしますね。

 かくいう私も、幾度となくそうした失敗を重ね(ジムは行かなくなる、ネトフリは見ない月は見ない、アマプラはまあ使ってるかな?)、サブスクへの課金には慎重になっていたのですが……。唯一、毎月元を取っていると実感できているサービスがあります。

 それがKomiflo。何かというと、要するに、成人向け漫画雑誌のサブスクです。

 月額980円+税なんですが、現在10冊の雑誌*1のバックナンバー1年分が読み放題となっています。隔月刊のものもあるのでややこしいですが、月2冊ほど読めば余裕で元は取れますね。私は全部読んでます。元、取りまくりですね。

 今回は、そのKomifloで現在(2020/8/30)読める作品、2000作品以上の中から傑作選を編もうという企画です。Komifloでは過去1年分のバックナンバーが読める訳ですから、必然的に『年刊Komiflo傑作選』を編むことになります。つまり、成り行き上、大森望氏&日下三蔵氏の役割を私が一手に担うということ。まあ、ウォルハイム&カーかもしれないし、ジュディス・メリルかもしれないですが。ちなみに、初回登録時は1ヶ月間無料らしいですよ。

 ……一人だけだと恥ずかしいので、これを読んだら皆さんも自分だけの傑作選を編んでみて下さいね。ほんとに。頼みますよ。

 

 

 

【レギュレーション】

○現在(2020/8/30)Komiflo上で読める作品の中から選出する。雑誌単位ではだいたい2019年10月号〜2020年10月号まで。ただし、Komiflo編集部セレクションや単行本販促などで、期間限定で読める過去の作品は除外する。

○1作家1作品縛り。収録作品数は通常の雑誌と同程度(15〜20作)を目指す。

○過剰に下品な言い回しはしない。自分が嫌なので。

 

『夜のサカナ 年刊Komiflo傑作選』目次 

 

石川シスケ×ひげなむち「応援交際」 快楽天 2019.12

 快楽天25周年特別企画の一環で行われた作家間コラボ作品。NTRでおなじみ・ひげなむちがネームを、けだるげで不真面目なメイドを描いた「坊ちゃんはきかん坊」(『あなとも』収録)が人気を博した石川シスケが作画をそれぞれ担当している。

 近所の女の子とずるずると体の関係を続けているおじさん、という設定の時点でねえよ!と言いたくなるのだが、やはり両人はエロ漫画が上手い。女の子が、年相応の恋愛を――甘酸っぱい体験を、純愛を――重ねていることをセリフで語らせつつ、絵ではえげつない性行為を描き、オーバーラップさせる技法に瞠目せよ。背徳感の鬼・ひげなむち先生の技が光る一作。

見どころ:開幕4コマの叙述トリック

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えいとまん「AM10:28」 HOTMILK 2019.12

 推しのアイドルを追いかけるためのお金目当てで、安易な気持ちで始めた援助交際「あはははは! バカだなー男って」中盤で描かれる台詞が象徴するように、彼女は理性の上で自らを律し、推しのために一時体を委ねているだけに過ぎない。だが、加速する欲望は理性を超え、倫理の基準器を狂わせる。

 飲み込まれていく心と体。推しのライブへ向かう飛行機にはもう間に合わない。響き渡る嬌声と水音。彼女は欲望の先に何を見、何を喪うのか。

 エスカレーションしていく欲望をスリリングな筆致で描いた傑作。

見どころ:タイトル回収の仕方。

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ピジャ「もっと×2 投げ銭¥交際」HOTMILK 2020.09

 援助交際×配信という、流行りの題材を2つ同時に抑えた作品。金持ちの高校生の元に、援助交際志願の女子校生が2人やってくるのだが、そのうちの1人が配信者で、なんとASMR配信を主に行っている女子。

 となれば、当然ASMR的囁きが行為中にも行われるわけだが、果たしてそれをどう表現するのか。ともすれば3人いるだけで構図的にも煩雑になりがちなのに、その上音声表現をも重ねる軽業師のような所業に、本作は挑んでいる。必見。

見どころ:ASMRをエロ漫画はどう描くか?

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ろてり「VSメスガキ ROUND2」 BEAST 2019.12

 「にんにんにんにん!」「メスガキ忍者よ! お命頂戴っ!」

 この冒頭1ページだけで、本作が尋常でないことが分かる。

 まずメスガキ忍者って何? 忍者なの? それでガキなの? なんなの??

 救いを求めて編集部からの煽り文句に目をやるも、「お命狙って妊妊妊(にんにんにん)♡」と、全く意味が分からない。本当に何なんだ。ちなみに、最終的にメスガキ忍者は分裂します。

 エロ漫画は基本フォーマットが決まっていて(導入〜本番〜締めの流れ、ページ配分など)、その中でどういった属性をかけ合わせるかといった単純な作業に終始した記号的な物語の反復ばかりでウンザリするのだが(夏になったら海でヤるのをやめろ。花火大会も。あと留学生を出すな! 全部同じ話じゃねえか)、稀にこうした単純化されない、規範への反抗を感じる作品が見出だせるので楽しい。というか、それを見つけたいがために読んでいる節がかなりある。エロ漫画って基本的にジャンクなものなのだけれど、その枠組みのなかで差異を見出そうとする試みもある訳で、そういうものは受け手が積極的に拾い上げていかないといけない、というのは最近思うところです。

 ちなみに、タイトルにROUND2とあることから分かるように、本作はメスガキ連作の2作目(1作目は既に読めなくなっている)。3作目以降も描いてほしかった。

見どころ:エロ漫画界最速のツカミ。

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六角八十助「むちむち♡おねえさんサンド」失楽天 2020.02

 とにかくエロい。これに尽きる。何で急に猫耳付けるの? とか、こいつらどこでそんな経験積んだの? とか、未成年3人でラブホって入れんの? とかとか、些末な疑問は、圧倒的画力の前では無力であることを思い知らされる。

 人狼と思しきゲームで「処刑」が決まった主人公が、ゲーム部の部員の女先輩二人に文字通り「食べられて」いく導入も含めて、全てが理想的な一作。

 六角八十助氏は「ひまりさん、つきあうっスよ」(失楽天 2020.06)も、ふと出会った流されやすい女性との出会いから幸せな性行為体験を描く傑作で、今年6月に出た単行本『とろとろにシてあげる』は、上記2作に加え「シノブちゃんのすくすく日記」「シノブちゃんのメロメロ大作戦!!」のシノブちゃん連作も収録の素晴らしい1冊。This is エロ漫画。

www.wani.com

見どころ:「幸せの余韻にひたってた……」という台詞の尊さ。

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mogg「裸の学校」 快楽天 2020.09

 絵は上手いのに最近ふつうのシチュを全然描かないことで有名なmogg先生が繰り出してきた新境地。急に宇宙人を描き出した時(快楽天2019.08「宇宙はピポパ」)は流石に焦った。最近の異世界転生物(快楽天 2020.07「ラストダンジョン」)も反応に困った。割と「描きたいだけやん」を感じる。

 急に女子の服を透視できる能力を手に入れた男子高校生、という絵に描いたような直球のエロ漫画設定なのだが、それが却って新鮮さを帯びている。逆に最近見なくないですか? どつき漫才なんか全然見なくなった現代で、思いっきりボケの頭を殴る漫才を見ちゃうと逆に笑ってしまう、みたいな価値観の反転がここにはある。ひたすら女子の足の裏を見つめて邪念を反らす描写なども、世界設定に対する細やかさを感じて○。全然関係ないが、こうした"ない「あるある」"を集めてみたい欲求がある。

見どころ:最後に出てくる委員長と女教師が漂わせる、謎の「関係持ってそう」「別のエロ漫画ストーリーが二人の背後に横たわってそう」感。

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皐月芋網「色結び」 失楽天 2020.10

 突然引退を発表した女優、しかも15歳のデビューから30歳での引退まで、映画以外のメディアには露出せず私生活は謎に包まれているミステリアスな女優が実は叔母、しかも我が家で暮らすことに……!? というストーリーからして、まず新奇性があって面白い。

 そこからおねショタ的展開に発展するわけだが、「私の行動で花岡結を俗物にしたくない 彼女には清く美しいままであってほしい」「だから…ね? 私を結子として見てくれる彰弘くんが 私をただの女に戻してくれる?」と甥に迫る台詞から迸る女優としての矜持が、本作を特別な一作に仕立てている。単純な性欲じゃないんですよね。そこが他のおねショタと一線を画しているところ。

見どころ:謎の女優の私生活を垣間見て、余計に好きになってしまう描写。

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fu-ta「教えてあげる♡」 COMIC BAVEL 2020.10

 間違いない。この作者は完全に「分かって」いる。

 そう確信させるシチュエーション作りの妙、台詞回しの巧みさが光る傑作。

 家庭教師に訪れたお姉ちゃんが、試験のご褒美にイロイロなことをしてくれる……なんて展開、既に山ほどある訳ですよ。もう掃いて捨てるくらいある。

 でも、この作品は、そうした先人の足跡を辿りつつ、抑えるべきところは抑え、その精度を極限まで高めることに成功している。映画ドラえもんで例えるなら『新・大魔境』。

見どころ:お姉ちゃんのキャラクター。

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ます「50/50」 失楽天 2020.06

 生意気な後輩女子と女性との接し方を「練習」するうちに本気になってしまい、実際の彼女(また別の女子)との行為(=「本番」)の間にも、無意識に二人の差異を考えてしまう……というオーバーラップの技法が効果的に使われている作品。

 明るく能天気風だけど、その実先輩への好意を隠し切れない後輩女子の顔が曇ることを予見しつつも、この二重の関係性から抜け出せないジレンマに陥る主人公のモノローグが、当初の絵柄からは予想できない重みを持ち、ここもまた意外性があって面白い。

見どころ:破滅を予見しながらも、快楽から抜け出せない苦しみ。2人を並べるフィニッシュのコマ割り。

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長頼「Dissonance」 BEAST 2019.11

 兄とその彼女が居間で行為に及んでいるのに、何の関心も寄せない妹。兄の彼女はそれを挑発と受け取り、「ダチ」に妹を襲わせようとするが……。

 歪な形で依存し合う兄妹を描いた、不協和音〈ディソナンス〉の響く1作。ラスト1ページで安易にハッピーエンドにしがちな成年向け漫画において、敢えて選ばれたわだかまりを残すエンドが、とりわけ胸に残る。ダウナー枠として。

見どころ:襲われた妹を助ける時の兄の目。ラストのコマ。

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おそまつ「まんびきJKと無敵のおっさん」 X-EROS #81

 「女子校生が万引き→捕まる→口止めにアレコレ……」という展開が「万引もの」のベタな訳だが、本作はそこに2つのツイストを加えている点で新奇性がある。

 まず1つは、捕まったあと、女子校生が密室に二人きりという状況はこちら側に有利で、写真を撮ってアップすればむしろ店側が炎上し悪者になる、と脅しを掛けるところ。

 そしてもう1つは、脅しを掛けられたコンビニの店長が過重労働と本部からのノルマで壊れてしまっており、「炎上すれば辞められる」と無敵の人的な発想に至ってしまうところ。某コンビニチェーンのオーナーの自殺を発想源としていると思しきこの展開は、世相を反映した上で硬直したエロ漫画のストーリーに新風を呼び込んだという点で、評価されるべきだろう。二重に畳み掛けられた転調が狂気を孕みつつも、これこそが2020年のリアルなのかもしれない、と思わせる切実さが、単なる成年向け漫画の域に留まらない魅力を放っている。

見どころ:無敵の人と化した店長が、どんどんノリノリになっていく狂気。

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変熊「Color mixture」 X-EROS #83

 都会が生んだ孤独。女子校生は家で孤独を感じ、仕事づくしで趣味のないサラリーマンは、帰宅してもすることがなく、ただ孤独を感じるのみ。

 そんな二人が出会う。自分の生活に変化が欲しくて。満たされなかった二人が、出会うことで満たされていく。

「とにかく俺の日常は楽しくなった…けど、彼女もそうだったら…いいなと思う」

 男側に思いやりの心があるのが高得点。定点カメラ視点は、最近猫も杓子も使いだしていてやや食傷気味だが、一応今の流行りなので一作くらいは使っている作品を入れようと思った。

見どころ:後ろめたさの少なさ。絵の良さ。

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昼寝「いっぱい遊ぼ! 〜おそと編〜」 WEEKLY快楽天 Vol.36・「いっぱい遊ぼ! 〜おうち編〜」 WEEKLY快楽天 Vol.37

 昼寝先生の登場は衝撃だった。異様に書き込みの多い描線、大胆な魚眼パース、そして度を越した陵辱描写。この絵柄で1年前まで少年漫画を描いていたという意味不明さ(想像できん)、そしてTwitterでの意外な礼儀正しさ(作風的に絶対ヤバい人だと思っていた)の全てが不調和で、不安定な気持ちになること請け合い。とはいえ、今最も注目すべき新進気鋭の作家の一人。とにかく絵にパワーがあるので、一番作画的に弾けている本作を選んだ。あまりに飛び道具なので、本家『傑作選』でいう漫画枠のイメージ。

 ちなみに、掲載誌の『WEEKLY快楽天』は、Komiflo会員限定のコンテンツ(紙版はない)。毎週3作品ほどが配信される。通常の誌面ではあまりない続き物、前編後編ものなどを掲載する場としても機能している。

見どころ:絵の力。

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さめまんま「お仕えします」 快楽天 2020.07

 誤解を恐れずに言うならば、快楽天ぽくない作品だと思う。明らかに女性目線で構成されている、と感じるからだ。主人公はメイドカフェに体験入店に訪れた女性で、物語は彼女のモノローグを中心に進んでいく。相手役である店長の声の低さや手「てっ…手慣れたメガネに弱いから…」「歴代推しにはメガネが多い…」といった台詞に帯びる男性へのフェチズムや、相手役の男の粘ついた感じなど、私がこれまで読んできた成年向け漫画とは違った意図、視線を感じる、有り体に言えば「女性が女性に向けて描いた作品」であると感じた作品だった。

 本作は快楽天2020.07の巻頭に置かれていたのだが、これは編集部にとっては思い切った判断ではなかったか。もっとも、快楽天の性別別シェア率を私は知らないので何とも言えない領域ではあるし、無論エロ漫画受容に性別は無関係なのだが、これまでの傾向から考えると、勇気ある選択だったように思える。その勇気を買いたい。

見どころ:むしろこれが描きたかったんじゃないの? と思うくらいに店長から漂うフェチズム。

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雛咲葉「非日常」 BEAST 2020.07 

 流行り病で世界は変わり、人々の日常も変容した。

 テレワークが続き、家庭不和から夫の弟の下宿へ退避する人妻。休講が続き、暇を持て余す大学生。彼らにとって今は「非日常」で、いずれは「日常」が戻ってくる。日常の帰還を心から望んでいる。だけど、今はもう少しこのままで。

 本家『年刊傑作選』にもある時事枠として。テレワークネタなら東出イロドリ「ふくらむ心音」(失楽天 2020.10)もあるのだが、こちらの方が発表が早かったので。

 見どころ:廃退を感じながら、それの継続を望んでいる自分に気付かされるところ。1日の感染者数を見ながら一喜一憂していた人、きっといるはず。それと同根。

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楝蛙「夜のサカナ」 快楽天 2020.05

 楝蛙先生は打率が高く、現在Komiflo上で読める作品の中からなら何を選んでも良かったのだが、女性の書き方(特に2ページ目の、うまいツマミを作れて「最高傑作だぞ!! これは」と静かにはしゃぐコマ)が一番良かった本作を選んだ。

 ツマミがあんまり上手く作れたのに、一緒に食べてくれる人(夫)がいなくて、寂しくて部下を呼んじゃう→酒を飲ませすぎる→襲われる、というストーリー的にはNTRものなのに自分の寂しさが起点なのと、夫が最後まで出てこない点から、必要以上の罪悪感を読者に抱かせないところも高評価。
 楝蛙先生は、帰省先で毎年夏だけ会う親戚のお姉さんとの逢引をしっとりと丁寧に描いた「なつあそび」(快楽天 2020.09)も傑作。

見どころ:ツマミを自作して静かにはしゃぐところ。この絵柄で料理漫画とか……どうですかね。

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幾花にいろ「披瀝」 快楽天 2020.02

 一般に、エロ漫画から一般漫画へ行ってしまった漫画家は帰ってこない。具体名を挙げることはしないが、「一般堕ち」という言葉が使われるほどには、エロ漫画読者にはその傾向は共有されている。

 幾花にいろもその一人になるはずだった。オフ会で出会った男女を描いた「咬合」(快楽天2016.10、いわゆる「ぞん兵衛さん」のやつ)で一躍人気を博し、2018年に単行本『幾日』を刊行したのと同時期に『楽園』(白水社)にて連載を開始。『幾日』を置き土産に、にいろ先生はエロ漫画の世界から旅立ってしまった*2のか……、と悲嘆に暮れていた方も多かったはず。

 だが、幾花にいろは帰ってきた。SF読者に例えていうなら、飛浩隆が『グラン・ヴァカンス』を引っさげて「帰還」したのと同じくらい(言い過ぎか?)の衝撃が、当時あった。

 端正な絵柄で描かれる、サークル内での感情の機微。余裕ある風を醸し出しながら、次第に追い詰められていく女性を、女性側の視点からモノローグで描写するテクニック。モブも含めたキャラクター造形から、確かに伝わる体温。全てが高水準で、これこそ2020年のKomiflo傑作選の掉尾を飾るに相応しい作品だ。年1でいいから描いてほしい。

見どころ:ふとしたアクシデントから始まる、駆け引きを描く巧みさ。

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さいごに 

 いかがでしたか。

 成人向け漫画って、本質的にはジャンキーなもので、ページ数的な配分や流れがあり、お決まりの属性があるわけで、その組み合わせを変えただけの反復が大多数を占めている訳です。だけども、そのジャンクの山から、何とか差異を見出そうともがき、苦しみ、作品を描く人たちがいる。その輝きを見逃さないように、誰かが拾い上げることも重要なのではないか……と思って、今回選んでみた次第です。成人向け漫画って、ごくごく一部を除けば、忘れられていく一方ですしね。

 あと、選んでいて思いましたが、面白い成人向け漫画はどれも導入が上手いですね。ツカミが早い。ツカミの時点で、既に反復の山からの差異をアピールしている。「ツカミを少しでも早くというのは、漫才におけるセオリー中のセオリー」と塙宣之氏も言っていましたが、時間という制限のあるM-1の漫才と、ページ数の縛りがある成人向け漫画では、ツカミの重要性は同じくらいあるのかもしれません。エロ漫画も漫才(中田カウス)。

 

 なお、本記事を読んでKomiflo加入をお考えの方は、以下の招待リンクから入っていただくと私に多少の特典が付くらしいです。もしよければ。

 今なら上で紹介した作品は全部読めます。あと、初めの1ヶ月は無料らしいですよ(この記事2回目)。

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 余談ですが、カラーページ枠を考えるなら、ひやしみらの「感冒の体温」(HOTMILK 2020.09 )を推したいところ。

 ……キャラデザが『僕ヤバ』なので。

 

 

(おわり) 

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*2:幾花にいろ名義での商業デビュー作は芳文社の雑誌『まんがタイム』2013年4月号スタートの短期連載「通り抜けできます」で、その後、2015年にも『まんがタイムスペシャル』誌で「同姓同盟」を連載していたため、成年向け漫画がキャリアのスタートではない。