機械仕掛けの鯨が

読んだ本の紹介など。書いてる人:鯨井久志

2021-06-12から1日間の記事一覧

唖然とするような怪作と歴史的名訳との臨界点——アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』

ゴーレム 100 (未来の文学) 作者:アルフレッド ベスター 国書刊行会 Amazon 怪作である。真っ赤な表紙とぶ厚めの背表紙。過剰なまでのタイポグラフィと、ロールシャッハ・テストを思わせる不可思議な挿画たち。何しろ開始二〇ページ目から出てくるのがヘブラ…