機械仕掛けの鯨が

読んだ本の紹介など。書いてる人:鯨井久志

2019-05-28から1日間の記事一覧

削ぎ落とされた影の歴史の回復――フアン・ガブリエル・バスケス『コスタグアナ秘史』

小説を書く上で必要なリアリティを、小説家はどこから得るのか。最も手っ取り早いのは、自らの経験をそのまま小説に落とし込むことだろう。だがそれにも限界はあり、文豪ジョゼフ・コンラッドもそれに悩んだ一人であった。本作は彼が著した『ノストローモ』…